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見落とすと雨漏りの原因に!屋根塗装で塞がる「隙間4mm」、縁切り・タスペーサーの役割と見積書の確認ポイント

10月も終わりが近づくと、山陰の空は急に気まぐれになります。晴れていたかと思えば、さっと時雨が通り過ぎていく。冬が来る前に屋根を塗り替えておこうと、見積もりを取り始める方が増えるのもこの時期です。
ただ、屋根塗装には落とし穴があります。スレート屋根の重なりには雨水を逃がす小さな隙間があり、塗料で塞ぐと水の出口がなくなるのです。この隙間を確保し直す作業を「縁切り(えんきり)」と呼びます。
この記事は、米子市・境港市周辺で築10〜20年ほどのスレート屋根の戸建てにお住まいで、はじめて屋根塗装を考えている方に向けて書きました。縁切りの必要性、タスペーサーという部材の役割、見積書の見方を順にご説明します。
屋根塗装の「縁切り」とは?スレート屋根の重なりにある隙間の役割

スレート屋根は、薄い板を少しずつずらして重ねた屋根
「コロニアル」「カラーベスト」とも呼ばれるスレート屋根は、戸建て住宅でよく見かける屋根です。厚さ5mmほどの薄く軽い板を、下から上へ少しずつずらして重ねています。
重なり部分の「隙間4mm」が雨水の出口になっている
屋根材の重なり部分には、新築時で4mmほどの隙間があるとされています(縁切り部材メーカーの株式会社セイムによる公表値)。たった4mmですが、継ぎ目から入り込んだ雨水はここを通って外へ流れ出ます。屋根材の裏の湿気を逃がす通り道でもあります。
塗り替えのとき、その隙間を塗料が塞いでしまう
屋根塗装では、ローラーで塗料をたっぷりと重ねていきます。すると、重なり部分に流れ込んだ塗料がそのまま固まり、隙間を塗膜でふさいでしまうことがあります。縁切りとは、この塞がった部分を切り離して、水の通り道を確保し直す作業のことです。
縁切りをしないとどうなる?屋根塗装後の雨漏りにつながる仕組み
毛細管現象で、雨水が屋根材の裏へ吸い上げられる
細い管を水に差すと、水が勝手に上ってくる。理科の授業で見た、あの現象です。屋根材どうしがぴったり密着すると、そのわずかな隙間で同じことが起こります。出口を失った雨水は、毛細管現象によって屋根材の裏側へとしみ込んでいきます。
湿気がこもり、下地の木材が傷んでいく
スレート屋根の下には、野地板(のじいた)という木の板と防水シートがあります。屋根材の裏に水がたまり続けると、この野地板が湿ったままになり、腐朽や雨漏りの原因になります。
室内に症状が出るまで、気づきにくい
やっかいなのは、屋根の中で進む傷みが外からは見えないことです。天井にしみが出たときには、下地の傷みがかなり進んでいるケースも考えられます。
「きれいに塗ったのに雨漏り」が起こりうる理由
屋根を守るための塗装が、雨水の逃げ場を奪ってしまう。縁切りを省いた屋根塗装には、そんな逆転が起こりうるのです。
塗料を厚く塗ればそれだけ安心、というわけではありません。
縁切りの方法|カッター・皮スキとタスペーサーの違い
従来の縁切りは、塗り終えたあとにカッターや皮スキで
昔ながらの縁切りは、塗装がすべて終わってから行います。カッターや皮スキ(へらのような工具)を重なり部分に差し込み、固まった塗膜を切り離していくやり方です。
セイムの公式サイトによると、一般的なスレート屋根で2人がかり1日ほどの作業です。塗り終えた屋根を歩くので、足跡や屋根材の割れのおそれもあります。
タスペーサーは、塗る前に差し込んでおく小さな部材
そこで広く使われるようになったのが、「タスペーサー」という専用の部材です。屋根材の重なり部分に差し込んでおくと、塗装をしても隙間が残るため、塗り終えてからの縁切りがいらなくなります。メーカーの公表では、作業時間は一般的な屋根で約2〜3時間です。採用実績は、2020年7月時点の試算で全国約70万棟とされています。
下塗りの前に入れるか、あとに入れるか
差し込むタイミングは製品によって異なり、下塗りの前を推奨するものと、下塗りのあとを推奨するものがあります。塗彩工房の施工事例を見ても、現場によってどちらの順番もあります。
隙間が4mm以上あれば、縁切りがいらない屋根もある
すべての屋根塗装で縁切りが必要、というわけではありません。セイムの公式サイトでも、屋根材の間に4mm以上の隙間がある場合は縁切りやタスペーサーは不要とされています。屋根材の反りで隙間が広がっていることもあり、判断は現地で屋根を見てからになります。
米子市・境港市の屋根塗装で、塗彩工房が行っている縁切りの工程

まず、屋根の隙間と傷み具合を確かめる
塗彩工房では、屋根の状態をドローンでも点検しています。国家資格を持つスタッフが撮影するため、はしごで上りにくい屋根でも、色あせや割れ、反りの様子を写真で一緒に確かめられます。縁切りが必要かどうかも、この段階で見ていきます。
高圧洗浄、タスペーサーの挿入、そして3度塗り
工程は、高圧洗浄で汚れやコケを落とすところから始まります。そのあと下塗り・中塗り・上塗りの3度塗りで仕上げ、その途中で重なり部分にタスペーサーを入れていきます。
米子市のT様邸では、洗浄のあとに縁切りとタスペーサーの挿入を済ませてから、シーラー(下塗り材)を塗りました。米子市夜見町のM様のお住まいでは、下塗りが乾いたあとにタスペーサーを設置しています。順番が違っても、目的は同じです。塗料に重なりをふさがせないこと。
屋根塗装の見積書で「縁切り」「タスペーサー」を確認するポイント
2枚の見積書を並べたとき、1行の差に気づけるか
たとえば、こんな場面を思い浮かべてみてください。
40代のご夫婦が、2社から届いた屋根塗装の見積書を食卓に並べています。金額は近く、塗料のグレードも同じくらい。「どっちでもいいんじゃない?」とご主人が言いかけたところで、奥さまが片方にだけある「タスペーサー」という行を指さします。「これ、もう一社のほうには書いてないよね。何のことだろう」。
この1行が何を意味するのか分かっていれば、比べ方はずいぶん変わってきます。
項目があれば「どの方法で行うか」を、なければ「なぜ不要か」を聞く
見積書に「縁切り」と書いてあれば、カッターなどで行うのか、タスペーサーを使うのかを確かめましょう。どちらの項目も見当たらない場合は、縁切りをするのか、しないならなぜ不要と判断したのかを担当者に聞いてみてください。理由をきちんと説明してくれるかどうかも、業者を見極める手がかりになります。見積書全体の読み方は、外壁塗装の見積書の内訳の見方の記事でも詳しくご紹介しています。
塗装では直せない傷みがないかも、あわせて確認を
割れや反りがひどい屋根は、塗装だけでは手当てしきれないこともあります。その場合の選択肢は、屋根塗装と屋根カバー工法の違いの記事にまとめています。
縁切りまで丁寧に行った屋根塗装の施工事例
スレート屋根の塗り替えで、タスペーサーを入れて仕上げた実例です。屋根の工程ごとの写真も掲載しています。


縁切りまで行き届いた屋根塗装で得られること

塗膜は屋根材を守り、隙間は下地を守る
塗装の役目は、紫外線や雨から屋根材の表面を守ることです。縁切りの役目は、屋根材の裏側にたまる水と湿気を逃がすことです。両方がそろって、はじめて屋根全体が長持ちします。
正直なところ、縁切りは仕上がってしまえば外からはほとんど見えない作業です。差し込んだタスペーサーも塗料になじみ、地上から見上げてもまず気づきません。それでも、塗った屋根が何年も雨を受け続けるあいだ、効いてくるのはこういう見えない工程です。
遮熱塗料と組み合わせれば、夏の暑さ対策にも
夜見町M様のお住まいでは、屋根にアステックペイントの遮熱塗料「シャネツテックⅡSi」を使いました。同社は遮熱塗料の国内メーカーシェアNo.1です(2019年度以降、業界紙「ペイント&コーティングジャーナル」調べ)。
最長10年の保証と、塗ったあとの定期点検
工事のあとは、最長10年の保証と定期点検で屋根の状態を見守っていきます。
よくある質問
Q. 縁切りやタスペーサーを入れると、費用は上がりますか?
屋根の広さや状態、縁切りの要否によって変わるため、一律の金額はお伝えしていません。無料診断で屋根を確かめ、縁切りが必要かどうかとあわせて、お見積りの際にご説明します。
Q. 見積もりは無料ですか?
はい、診断もお見積りも無料です。他社との相見積もりも歓迎しています。
Q. 瓦屋根や金属屋根でも、縁切りは必要ですか?
縁切りは、主にスレート屋根の塗り替えで必要になる作業です。屋根材の種類によって塗装の考え方そのものが違うため、どんな手入れが合うかは診断のときにご説明します。
Q. タスペーサーは、屋根の上で目立ちませんか?
メーカーによると、塗料となじむため目立ちにくいとされています。むしろ、差し込まれたタスペーサーは縁切りをきちんと行った証にもなります。先ほどの見積書の場面のように、気になる点があれば遠慮なく担当者に聞いてみてください。
まとめ
スレート屋根の重なりにある約4mmの隙間は、雨水と湿気の大切な出口です。塗装でそこを塞いでしまえば、きれいに塗った屋根が雨漏りの入り口に変わりかねません。縁切りやタスペーサーは目立たない工程です。それでも、見積書に書かれているか、どの方法で行うかを確かめるだけで、塗り替えの安心感は変わります。冬の時雨が本格的になる前に、まずは無料診断で屋根の今の状態を見てみませんか。
米子市・境港市を中心に、累計20,000件以上の住まいの塗り替えを手がけてきた塗彩工房。創業から50年以上、屋根の上の見えない工程こそ手を抜かずに続けてきました。

























